「メアリと魔女の花」はスタジオポノックからジブリへの感謝と卒業

【タイトルとあらすじ】

「メアリと魔女の花」2017年7月8日公開。


魔女の花を見つけたことから魔法世界に迷い込んだ少女メアリの冒険を描く。田舎町の赤い館村に引っ越してきた11歳の少女メアリは、7年に1度しか咲かない不思議な花「夜間飛行」を森の中で発見する。それは、かつて魔女の国から盗み出された禁断の花だった

キャッチコピーは、「魔女、ふたたび。」、「この夏、メアリは出会う。驚きと歓び。過ちと運命。そして、小さな勇気に――。」。


映画館で観てきましたよ。

(映画館の「竹」で気づく人もいますかね、そうですここは京都Bivi二条です)

さっそく予告編でおさらいしてみましょう。

気になる始まり方ですね。絵、動きはスタジオジブリそのもの。スタジオポノックのこけら落とし、期待が膨らみます。

<ネタバレあり>

冒頭からビックリさせるオマージュの数々

イントロ部分で見覚えのある絵コンテが。

そういえばスタジオジブリではいつも映画に入る直前、企業がCMでロゴを出すみたいにある「画像」を入れてくるんですね。

このトトロが出てくる部分です。

「メアリと魔女の花」でもなんと!

メアリが左方向向いた横顔画像に「スタジオポノック」と記載がありました

なんということだ。

受け継がれる意思。

ジブリのオマージュ。

「俺たちはここにいる」とでもいいたげな、復活宣言ともとれる描写。

今後の作品にも画像入れてくるのかな?スタジオジブリはトトロをずっと使用してきたけど、ポノックもメアリをずっと使用するのかな?しばらく様子見で、また人気キャラが出てきたら入れ替えるのかな?

オマージュの数々は他にもあります。

「ハウルの動く城」

夜間飛行を盗んだ赤毛魔女を追う時の、校長が出したなんかネバネバした手。

この絵って完全にハウルの時の作画担当さんだよね?酷似しすぎ。

そして火煙をあげながら、赤毛魔女がほうきで下界に逃げ込むシーンも、ハウルが鳥になって空飛んでる魔法戦争の場面を彷彿させます。

物を運ばせる馬車の代わりに使ってた「液体マン(ゴム人間)」も同じように出てきましたよね。

ホウキはもちろん「魔女の宅急便」

黒猫は魔法使いの必須パートナーなんでしょうか。

そしてメアリの作画もよくよく思い出すと、

赤毛の彼女だ!キキの先輩魔女!パイセン!

もしやなんかメアリと血縁関係あるんじゃ?!?!?と想像させてしまいます。キャラの似せ方が懐かしい!

これは完全に魔女の宅急便のあのシーンです。

「コクリコ坂から」のオマージュは

カルチェラタンを彷彿とさせるエンドア大学構内の様子。色んな部室、教室の紹介。

同じ学び舎としての描写だから似たのでしょうか。

ではストーリーを見ていきましょう。

転校先の学校が新たに始まるまでなメアリ。

一人ピクニック。

街のいたずらっ気満載のピーター登場。なんといっても神木君の声だね。聞いてて心地いい、低くも高くもない青年の声。君の名はの瀧君でもあるね。

その飼い猫2匹に連れられて入った森で見つけたのは

夜間飛行。

ブルーベリーの実に似た美味しそうで、不思議で、妖艶な空気を纏った花。

そうそうこのネーミング、大人の方はサン=テグジュペリ(星の王子様の作者ね)さんの有名な小説作品を思い出したりしますか?

僕ら29歳世代はこの人の楽曲を思い出すよね?!

石崎ひゅーい「夜間飛行」

そんなキーとなる夜間飛行は人に魔力を与える不思議な花です。

夜間飛行とホウキを組み合わせてたどり着いた先は天空の学校。

(ここでもラピュタのオマージュがwwwwバルスwwww)

最初に出会うのはスペイン村のサンチョパンサみたいな従属、フラナガン。

俺多分、この門番、昔は有能な職員だったと思うんだよな。

わざと空気読めないように振る舞って、怖い人達から身を挺して守り、タイミングよく手を差し伸べてくれる、そんな優しい大人。

「新入生か?」

エンドア大学へようこそ」

だ・・・大学・・・・だと。。。

過去にジブリは

 保育園(崖の上のポニョ)

 小学校(となりの山田君やおもひでぽろぽろ、天空の城ラピュタも小学生でしょ、パズーとか)

 中学校(耳をすませば)

 高校(コクリコ坂から、海がきこえる)

くらいの年代までなら常に描写はしてきました。

しかしユ・・・ユニバーシティだと・・・

ファンタジーが売りだったジブリが。。

最高教育機関の大学を作品に導入。<(_ _)>

これも時代の流れか。現実と交差する世界感。

教育を推す資本主義。アベノミクスということか。

魔法学。魔法歴史学。

ハリーポッターか。

ありそうでありそうにない学部。

いや京大なら作ってくれるんじゃないか?リアルに。

魔法使いだって大学で学ぶんだ。

どこのファンタジーにも努力要素は必要だと、訴えてきました。

しかし最高学年の授業で透明人間技を披露し、即大学でNo1の座になったメアリを見て、圧倒的な道具(夜間飛行)の前では日々の勉強やたゆまぬ努力の学生さんは一瞬で負けてしまうという、リアルな現実を見てしまった。

夜間飛行さん、まじやばいっす。

しかし夜間飛行を持っていたから誰でもNo1になれるとは限らないというか、

メアリはもともと血筋があったんだよね(後述しますが)

そしてこの世界では猫という存在は魔法に精通しており、

「黒い使い魔の猫が側にいて、赤毛であるあなたは優秀じゃないわけがない」

とマダム・マンブルチューク校長はメアリに言いました。

(黒猫は昔から不吉・魔力を持つて言われているね、なんでだろうね。クロネコヤマトも魔法並みに早く届けるのが夢だったのかな。)

メアリの赤毛の悩みの回収です。

「こっちの世界では悩みの種も、そっちの世界ではそれがお宝」

素敵な教訓☆

エンディングに向かって

メアリのグランドマザー、シャーロットおばあちゃん、昔赤髪だったのか。

ていうか冒頭の凛々しい美人魔女だったのか。

白髪になると全く面影がなくなるwwwwという巧妙なトリックだな。

 

こっちじゃなくて。

こっち。

またオマージュだよ。何回リスペクトするんだよ。

たぶん当時は首席とか学年1位とかの成績だったんじゃないかな?(過去の描写においてマダム・マンブルチューク校長の隣の席で集合写真撮ろうとしてたことから推測)

今は魔法使えるのかな?時間とともに忘れちゃうものなのかな?

下界に降りると魔法が使えない?いやいや、マダム・マンブルチューク校長先生が下界に降りて追っかけてきたときも普通に魔法使ってたしそれはないな。

だからおばあちゃん、魔法、使えるんだよね?

エンディングのピーターとメアリの浮遊場面。

髪の毛に

「あっ、なんかついてる」

と夜間飛行の花の粒を発見。

てっきりこれからこの一粒を育て始める、「私偉大な魔女になる!」

の展開かなと思ったけど、まさかの投げ捨てる始末。

魔法からの卒業。私にはいらないから。と。

ここでSEKAI NO OWARIが流れ始めてEIGA NO OWARI

彼ら得意のピコピコサウンドは影を潜め、映画の終わりを爽やかにするバラード。

新曲「RAIN」

魔法はいつか解けると僕らは知ってる

月が咲いて太陽が今枯れた

虹がかかる空には雨が降ってたんだ

虹はいずれ消えるけど雨は草木を育てていくんだ

映画の中身ともリンクした芸術的な歌詞。虹は消えても残るものがある。

楽曲はダルシマーが特徴的な間奏分も含め全体的に魔女のエキゾチックな世界感はちゃんと入れてきています、さすがナカジンです。

深瀬の魔法チックな歌声と世界感も相まって綺麗に終わりました。

そして最後に、エンドロールお気づきになりましたでしょうか?

「メアリ       杉咲花」

「プロデューサー   ○○」

というような項目がずら-っと下から上昇していく中で、、

「感謝」

という二文字が・・・。

その欄には3名の名前が。。。

高畑勲

宮崎駿

鈴木敏夫

師匠と弟子。師弟関係。

離れても感謝は忘れない。

SNSの反響・私の盛り上がり

盛り上がってますね~

で私はというと、グッズショップで夜間飛行を買ってしまいました。

そして裏面の注意書き。

15歳以上が対象・・・なぜだ・・・魔法は危険だからか・・・

ドクター・デイさんが言っていたように良識ある大人しか扱っちゃいけないのか。

そしてこのグッズの最大の特徴は「夜に光ること」

蓄光素材・・だと・・・

蓄光材?仕組みがわからん。

ただ夜に光るということは、もう一人暮らしも寂しくない。

一家に一輪、夜間飛行。

最後に作中のプチっと名言をどう

・「亀か!鶴か!」「か・・亀かな・・・」」

・「変わりたいのは、お前だけじゃないんだ」

・「おーい新入生」「ほうきへの愛情が足らんよ」